「我が儘なお嬢さんだ」
「…羽織るものって言ったんだ…」
玲音が唸る。
羽織るものといえば衣類だ。布だ。
だが高嶋がとった行動は、椅子の背もたれ越しに玲音に抱きつくという、衣類からはほど遠いものだった。
「冗談も通じない堅物子(かたぶつこ)ちゃん」
玲音の首筋をチュッと吸ったあと、高嶋は離れた。
「家に帰りたい…一人になりたい…」
ぼそりと玲音が今の心境を呟く。
「喜べ。今日から同棲だ」
頭の上からドサッと布切れが覆い被さる。
手に取ってみるとスウェットの上だった。
色とデザインからして、高嶋が今穿いているスウェットのパンツとセットアップのものだ。
「また冗談ですか? 冗談なら笑ってあげます」
「その前にありがとう、は?」
「どこに礼をいう場面がありました?」
「手にしているものな~んだ? 俺の服貸してやるんだから、ありがとうだろう」
「盗人猛々しいってあなたのためにある言葉です」
与えられたスウェットに腕を通しながら玲音が言うと、流しに立った高嶋が振り返り、
「何も盗んでないが…あ、盗んだか…昭和っぽい表現だが、玲音のハートを盗んじまった」
と、ウィンク付きで言った。
「・・・」
口を開くのは止めよう。
馬鹿らしい。
言いたいことは言わせておけ。
相手にしなければ心乱されない―――玲音は無視しようと決めた。
一瞬口を開き掛けた玲音が唇を結び、視線を高嶋から反らす。
「ふふん」
その玲音の様子に高嶋が鼻で笑い、料理を始めた。
ジュジュッという肉が焼ける音と、香ばしい匂い。自分が空腹だったとその匂いで玲音は気付いた。
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